高槻市議会議員 高木りゅうたのブログ

高槻市議会議員・高木の活動日記

質疑

◆市議会2日目。
会派(3人以上)に属さない議員は2015年度の決算特別委員会に出席できないため
本会議で質問するしかありません(自治体によっては各常任委員会で所管分の決算審議を行う議会もあります)。
◆質問項目は3項目。
昨年度義務化された職員対象のストレスチェック、生活困窮者自立支援事業そして市の出資法人である三島救命救急センターに貸し付けている運営資金について。

◆先日、朝日新聞で「出資法人の未返済金穴埋め自治体の会計操作」http://www.asahi.com/articles/ASJ7Z5KFBJ7ZPIHB00Y.htmlという記事が掲載されていました。
第三セクターなどの出資法人に自治体が運営資金の短期貸し付けを行い、年度をまたいで予算、決算に反映されない出納整理期間中に
法人が自治体に資金を一旦返済したように処理して、翌年度に再度貸し付けを行うという単年度転がしいわゆる「単コロ」と呼ばれる手法と
法人が年度末に資金を返済し、翌年度に貸し付けを行う一夜貸し、いわゆる「オーバーナイト」という二通りの手法があります。
◆単コロは貸し倒れのリスクが決算上見えず、出資法人の経営が悪化した場合、貸し付けた資金の返済が滞り、一挙に自治体の財政に跳ね返ってくるといった
危険性があり、夕張市財政破綻も単コロと同様の会計操作が原因のひとつだとされています。
総務省は3月に会計年度独立の原則に反すると単コロをやめるよう通知を出しました。
オーバーナイトのなかにも単コロのようなものが一部あると指摘されています。
高槻市が三島救命救急センターに行っているのはオーバーナイト。しかし、単コロのような会計操作ではなく、
内実は
・法人の医療報酬が遅れて入ってくるため、年度途中に運営資金が不足する可能性がある。
・それを回避するため金融機関から資金を借りると金利負担が大きい。
・それで市が低く抑えた金利で貸し付けて法人の金利負担を軽減させる。
また長期貸し付けだと「借りっぱなし」で法人の財政規律が緩むことも考えられるため、年度末にしっかり返済させるため継続的な短期貸し付けにしているという趣旨の答弁がありました。なるほど。
◆背景にあるのは三島救命救急センターの厳しい財務状況。橋下知事時代、大阪府補助金カットをちらつかせ、大きな反対の声でそれは頓挫させましたが、
安定的な運営のためにも補助金の増額などの方策が必要だと思います。
バブル時代に作った三セクのレジャー施設が潰れるのとは次元が違います(それはそれでいろいろ問題ありですが)。北摂市民の命を救う重要な機関です。

補正予算では民間保育園の元園長が国、府、市の補助金を私的流用した分の返還金について質問。
返還金は約9000万円。法人が立ち上げた第三者調査委員会の報告書では10年間で私的流用した金額の半分にあたる約4500万円が給食の材料費。
材料費の領収書に数字を書き加えその分を着服していたとのこと。
市の行う監査では給食経費が極めて高い、あるいは極めて安い場合に留意するように指導監査調書に記述があるのですが
市は保育園によって食材費はばらつきがあり、監査で特に給食経費が高額であるという認識はなかったとのこと。
確かに無添加食品や有機野菜を使う保育園もあり、給食経費が比較的高くなる園もあります。
それ自体はまったく問題ではないのですが(むしろ無添加食品や有機野菜を扱う仕事をしていた身としては個人的に給食の内容にはこだわります)、
報告書では元園長が領収書の10万円の桁に当初「1」を書き加え次第に数字を「6」まで増やして上乗せした分を着服していたと書かれています。
うーん。市の監査で実際に園で出されていた給食の内容と、金額が上乗せされた領収書とを比較して食材費との整合性を確認するのは難しいことだったかもしれません。
◆いうまでもなく不正流用の責任は元園長にあり、また法人の組織体制にも問題があったはずです(報告書にもそう指摘されています)。
再発防止の対策は市のほうでも取られていて、会計体制の確認、出納職員などへの研修などに取り組んでいると答弁がありました。