高槻市議会議員 高木りゅうたのブログ

高槻市議会議員・高木の活動日記

高槻市第6次総合計画に感じた違和感

◆新型コロナの感染拡大が続き、全国のなかで大阪府が深刻な状況になっています。

高槻市内でもクラスターの発生や学校の臨時休校が相次ぎました。

12月議会では補正予算案件も介護施設新規入所の65歳以上の方のPCR検査補助(医療、福祉関係者だれもが希望すれば検査を受けられるようにするべきですが)や

自宅療養者への食糧、日用品の無償配布など、コロナ対応のものが多いです。

補正予算の内容はコチラ

◆そんななか、12/2の本会議で「高槻市第6次総合計画」について質問しました。

総合計画とは・・・

地方自治体の全ての計画の基本となり、地域づくりの最上位に位置づけられる計画。

今年度は10年間の第5次計画の最終年度のため、来年度からの第6次計画を策定するため、議会に計画素案が提案されました。総合計画の素案はコチラ

しかし第6次計画でとても気になった箇所がありました。

それは「基本構想」、

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◆これは総合計画の概念図(高槻市第6次計画素案より)です。

図のように総合計画は二層構造になっていて、基本構想は上部に位置し、

高槻市はこういうまちを目指しますという一番おおきな目標にあたります。

今議会に提案された第6次の基本構想がこちら↓

1 憩いの空間で快適に暮らせるまち

2 安全で安心して暮らせるまち

3 子育て・教育の環境が整ったまち

4 健やかに暮らし、ともに支え合うまち

5 行き交う人々でにぎわう魅力あるまち

6 良好な環境が形成されるまち

7 地域に元気があって市民生活が充実したまち

ここまで「まぁそうやんね」と特に違和感なく読めたと思います。

実際のところ、どの自治体も総合計画の基本構想は同じような文言が並んでいます。

◆そんななか、私は最後の項目のこれに違和感を感じました。


8 効果的な行財政運営が行われているまち

これです。

行政運営に効果や効率が求められるのは確かです。

しかし、まちの将来像の根幹である基本構想に「効果的、効率的」を掲げるのははたして適切でしょうか。

医療、福祉、介護、教育、子育てなど多くの市の事業には、非効率でも、効果がすぐには表れなくても、市民にとって必要なものがあります。

これを行政側が市民の意見を聞かず一方的に「これは効率が悪いので廃止します」「これは効果が見られないので民営化します」となったらどうでしょうか。

第5次総合計画には基本構想の下部に位置する基本計画に「効果的、効率的~」があげられていましたが、今回これが基本構想に「昇格」してきたといえます。

◆これまでだって、地元住民の声を無視して行政サービスコーナーや移動図書館が休廃止され、見直し反対の署名が3万筆も集まった市バス敬老パスも年齢制限がされてしまっています。

今議会では赤字でもないのにコスト削減のため、市立老人デイサービスセンター廃止の条例案が提出されています。

これらはみんな市民にとっては必要なものでした(他にもありますが)。

◆基本構想に「効果的、効率的なまち」が入ることで、行政の独断で「効果が薄い、非効率」とみなされ、市民にとって必要な事業や政策が廃止、民営化される流れがより一層強まるのではないでしょうか。

他の自治体も効率的な財政運営といったことは基本計画にはありますが、

基本構想に掲げているところは少ないのです。

この第6次総合計画では、今後の高槻市のまちづくりは市民よりも行政の立場が優先されるものになる可能性があります。