高槻市議会議員 高木りゅうたのブログ

高槻市議会議員・高木の活動日記

特別支援学級の画一的な「週半分以上」文科省通知がもたらすもの

◆先日ブログで触れた特別支援学級について文科省が「週の半分以上を支援学級で授業を受ける」よう各自治体に求める通知で、学校現場や保護者・生徒に不安の声が出ています。

◆先週の市議会の一般質問でもこの問題をとりあげました。

高槻市では週の半分以上を支援学級で授業を受ける割合は小・中ともに7.3%、3.4%と少ないものの、支援学級での授業時数は週平均で8時間以上と、けして支援学級でまったく授業を受けていないような状況ではありません。

◆むしろこの数字は、生徒個々の状況にあわせて特別の教育課程を編成しつつ、基本は「通常の教室」でみんなと「ともに学び、ともに育つ」大阪で進められてきた支援教育を実践してきた証だと思います。

◆この件で受けたご相談を紹介します。

中学生のお子さんで、学習障害があり、支援学級でいくつかの教科の授業を受けていましたが、文科省の通知を受けて、学校から

●来年から・・・

・週の半分以上(15時間以上)を支援学校で受ける。

・支援学級の授業と、通常の学級で下の学年の授業を週の半分以上(15時間以上)受ける。

・支援学級を退級して通常の学級に在籍しながら、週一回程度、別教室で授業を受ける「通級指導教室」に移る。

・支援学級も通級指導教室も在籍せず、通常の学級ですべて授業を受ける。

上記の選択肢を示されました。

そんななか、お子さんはスポーツを頑張っていて、高校はスポーツ推薦入試を考えていました。

ここで問題が出てきます。

来年も支援学級に残る場合、内申書の評価が「評価なし」になる授業が増えるため、推薦入試では不利になります。

◆別の選択肢の「通級指導教室」は、高槻市では中学校は3校(18校中)しか設置されておらず(小学校は14校(41校中))、現在学校に教室がない生徒は保護者が他校まで送迎しています。

来年度は通級指導教室の希望者が増える見込みで、全員が入るのは難しく、待機になるかもしれないのです。

◆かといって、いきなり来年から「通常の教室」で支援がないなかで、自力で授業を受けるのは難しい。授業についていけなくなってしまう。

◆このような状況で、来年度からどうするか選べというのは酷すぎます。こどもの個々の状況を無視して画一的に「支援学級で週の半分以上授業を受けなさい」それが嫌なら、支援の薄い(もしくはそれがない)通常学級にいきなさい。

これが文科省通知が学校現場にもたらす実態ではないでしょうか。

文科省がやらなければいけないことは、支援員の確保や、専門的な知識や経験をもつ教員を増やすこと、少人数学級のさらなる環境整備、等々です。

◆おそらくこどもも保護者も学校の先生も不安を感じ、困惑している方がたくさんいるはずです。

大阪府高槻市も少なくとも「経過措置」として、来年もいまと同じ授業内容で学校に通わせる。この選択もできるんだ、選べるんだということをしっかりと説明し、保障してください。

同じように悩んでおられる方も学校にそのように要請してみてはどうでしょうか。

◆また、こちらまでご連絡いただければと思います。