高槻市議会議員 高木りゅうたのブログ

高槻市議会議員・高木の活動日記

種子法廃止


◆昨年4月、国会で「主要農作物種子法(種子法)」が廃止されました。
実はこれが大問題ということで
元農林大臣の山田正彦さんの話を聞きに茨木へ。
◆これまで米や麦、大豆などの種子は安全に安価に農家へ供給するため、
種子の原種・原原種の生産や検査などを都道府県が担ってきました。
主食である米の種子は公共財であるという観点から、国や都道府県が責任をもって守ってきたのです。
◆種子法廃止は「農業の競争力を高める」という理由で
都道府県が育成してきた種子を民間企業が自由に使い、品種育成ができるようにしました。
しかし、民間企業の種苗会社の多くはモンサントなど種子を独占して特許料を農家から支払わせている多国籍企業
これから米の種子価格が何倍にも上がり、品種は限定され、農家は企業が指定する農薬や化学肥料を使うことが義務付けられたり、
将来的には遺伝子組み換え稲の栽培が普及することも考えられます。
種子をまるで工業製品かのように捉え、農業を成長産業にするという考え方は危機的です。
◆食糧安全保障の点でも、多品種の種子を確保するのは鉄則。
品種が限定されれば、病害虫による壊滅的な被害が出ます(19世紀にはアイルランド島でジャガイモの疫病により人口が半減する飢饉が発生)。
多様な品種を生産していれば一方で被害が出ても他方は被害が少なくて済みます。

◆ちょうどこの本を読んでいたところでもありました(地域に文字通り根づいてきた種子がいかに重要であるかよくわかる良書です)。
伊那市など種子法廃止による悪影響を出さないよう国に対策を求める意見書を採択している
自治体もあります。
山田さんは国会で超党派で種子を保護する議員立法を提出したいと話していました。
種子法廃止ですぐに影響が出ることはないと思われますが
公共財である「種子」を消してはいけません。