高槻市議会議員 高木りゅうたのブログ

高槻市議会議員・高木の活動日記

川西市視察

川西市へ「完全米飯給食」と「子どもの人権オンブズパーソン」の視察に行ってきました。

近畿圏でも稀有な週5回の完全米飯給食を実施している川西市
実は14年前まで米飯給食が月一回でほとんどパン中心の給食だったのですが、児童の健康面、地産地消など農資源の維持などを目的に2010年に全校自炊での米飯給食が導入されています。
上の写真は当日いただいた給食のメニューですがご覧の通り、ごはん給食ではおかずも和食中心となり、砂糖、油脂分を多く摂ってしまうパン給食よりも健康的です。また、市内産のお米を使用し、不足分は県内産を使うなど輸入食材に頼らないことを目的としています。
高槻も地元米を給食で8割使用するなど頑張っていますが、ごはんとパンは週5回の給食で半々の割合です。
完全米飯はコスト高で給食費が上がるとの話も聞いていたのですが川西市ではそういうことはなかったそうです。
その他参考になるお話を聞かせていただきました。

第二部は子どもの権利を守り、子どもにとって最善を利益を図るとして条例で設置された
「子どもの人権オンブズパーソン」の事務局の方、相談員の方から制度についてお話を聞かせてもらいました。
オンブズが他の機関と違うのはいじめや不登校虐待などに対して「単なる相談機関ではなく調整機関」であること。
市長直轄の機関として子どもにかかわる行政の仕組みそのものに働きかけ改善を図ることができると条例で定められています。
それも「上から」ではなく、当事者である子どもや家庭、教育機関などにも働きかけながら問題解決を進めていく点が制度の特徴のひとつです。
今年2月に発刊された「子どもの声を社会へ――子どもオンブズの挑戦 (岩波新書) 」で制度設立の背景や実際のオンブズの活動について詳しく書かれてあります。
驚いたのは子どもの人権オンブズパーソン制度の存在を小学生の8割が認知していることでした。
年600件近い相談に対応する相談員さんも仕事に情熱をもって取り組んでおられます。
ただ市の単独事業であり、人員体制の拡充などは予算上厳しい面もあるとのことでした。
川西市のオンブズパーソン制度と同様の制度を作る自治体や子どもの権利条例を制定する動きが
全国的に広がっていますが、裏返せば国の子どもの人権に対する施策が充分でないことの表れとも受け取れます。
オンブズのような制度に対する国の支援が手薄なことからも明白です。
先述の新書ではこれまでの日本の経済成長信仰が子どもに大きな負荷をかけてきたことの批判もされています。
起きたことに対処するに留まらず、例えばなぜいじめがあるのかに対して、
社会的背景にまで働きかけようという理念のもとで運用されている制度を行政が行っているというのは、やはり画期的です。
今回の視察にご協力いただいたみなさんどうもありがとうございました。