◆先日、子どもがこれを持って帰ってきたと市民の方から連絡が
◆この放射線副読本、小学生用、中学・高校生用と二種類あり、11年、14年、そして最新版の18年と三回発行されています。※写真はコピーなので白黒ですが現本はカラー刷りです。
過去二回分は高槻市では生徒に配布していませんでした。
が、
最新版はいくつかの中学校で配布されていることがわかりました。不覚。
というのも、これまでは
の順で大阪府から高槻市に副読本を配布するかの意向や希望冊数の聞き取りがあり、
高槻市は生徒には配布しないと答えていたようです。
◆しかし最新版は文科省→小・中学校と府から市への聞き取りもなく、ダイレクトに全校生徒分が各学校に送られ、学校で配布されました。
◆この副読本の中身ですが・・・
◆「はじめに」のページからおかしな点がいくつも散見できます。
下線部には「除染により復興が進んでいる」と書いてありますが、避難解除でまちに帰り、復興を望む住民もいる一方、避難したまま帰らない・帰れない住民もたくさんいます。原発事故を巡り、住民の分断や葛藤がいまも多くあるなか、そういったことは何も触れない。
「原発事故さえなければ」と言葉を残して自ら命を絶った方もおられます。
◆福島県では年間被ばく量を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトまで引き上げていることも副読本のどこにも書かれていません。
◆12ページには「検査で健康に影響が及ぶ数値はなかった」とも。
福島県で甲状腺がん及びがんの疑いのあるこどもが201人もいることは周知の事実ですが、これについてもまったく無視しています。
◆今週はこのような報道もありました。
11歳100ミリシーベルト被曝の疑い 福島第一事故で:朝日新聞デジタル
また福島原発で事故の収束作業にあたる作業員のがんが労災認定された事実も触れていません。
福島原発の作業員が甲状腺がん 厚労省が労災認定 事故の作業に従事 - 産経ニュース
労災認定された方のなかには肺がんで亡くなられた方も含まれます。
このように、原発事故がなければ失われることのなかった命があり、その犠牲のうえにいまの社会が存続していることも副読本は一切捨象し、原発事故は収束し、放射能による健康被害はないと強調しています。
◆問題のある記述はほかにいくつもあります。詳細な分析のうえ、副読本に警鐘を鳴らしているサイトもありますし、配布撤回をもとめる署名活動もはじまっています。
◆子どもたちに誤った認識を与える副読本は配布しないよう、教育委員会に要請しましたが、文科省は今年4月に小・中学校、高校に入学する新入生に副読本を配布するための予算要求をしています。これを許してはいけません!