高槻市議会議員 高木りゅうたのブログ

高槻市議会議員・高木の活動日記

放射線副読本

9月議会が26日に閉会しました。
最終日に障がい者雇用について一般質問をしました。
ひとつの質問をするにも資料を集め、制度や関連法についてなどいろいろ調べなければいけません。
そして質問に現実味を持たせるには、現状についての認識もさらに深めないといけません。ここが課題です。
9月議会の詳細については後日「りゅうた通信」のPDFをブログにアップします。
来月10/15から2011年度の決算委員会が開かれます。


先日、放射線副読本を教育委員会からお借りしました(高槻市では副読本は生徒に配布していません)。
小中高の生徒用と教員用合計6冊で1セットです。
ここでもご覧になれます⇒小学校児童用:文部科学省
この本の1ページ目の「はじめに」の箇所で、
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震マグニチュード9)によって東京電力株式会社福島第一原子力発電所で事故が起こり、放射線を出すものが発電所の外に出てしまいました。
 放射線の影響を避けるため、この発電所の周りに住む方々が避難したり、東日本の一部の地域で水道水や食べ物などを飲んだり食べたりすることを一時的に止められたことがありました。」

発行元はこれまで原発推進に一役買ってきた文部科学省ですが、福島原発事故をまるで他人事のように紹介し、事故がもう過去の出来事かのように記述しています。

また、最後の「事故が起こった時の心構え」では
放射線を使っている施設で事故が起こり、施設の周りへの影響が心配される時には、市役所、町や村の役場、あるいは県や国から避難などの指示が出され、この指示に基づいて、学校から児童や保護者に指示が伝えられることがあります。
 その際、うわさなどに惑わされず、落ち着いて行動することが大切です。
 事故後の状況に応じて、指示の内容も変わってくるので注意が必要です。
 また、時間がたてば放射性物質は地面に落ちるなどして、空気中に含まれる量が少なくなっていき、エアコンや換気扇などを使うことができ、マスクをしなくてもよくなります。」
 

「事故が起これば国や自治体から避難の指示が伝えられることがあります」
「伝えられることがある」って無責任な表現も問題ですが、避難指示が出されるというのはウソ丸出しです。
福島の事故では国はまともに放射能汚染についての情報を住民に知らせず、多くの人が被曝してしまったのは周知の事実です。
そして放射能の影響が内部被曝などによって長期間人体に影響を及ぼすことは無視して、
時間がたてば元通りに生活ができるように思わせるような表現は非常に問題。
「はじめに」以外のページでは福島原発事故についての記述も皆無で、事故を反映して考察された箇所も見当たりません。
教員用には「学習のポイント」と「指導上の留意点」という欄がありますが、高校生版では驚くような箇所が…
放射線の管理・防護では
・事後後しばらくたつと、それまでの対策を取り続けなくてもよくなることを学ぶ
○身の回りの放射線の測定では
放射線にはリスク(危険性)とベネフィット(便益)があることを理解できるようにする。
放射線による影響では
・100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については、明確な証拠はないことを理解できるようにする。

なんじゃこりゃ。です。
こどもたちがこの欺瞞的な内容をいまさら素直に受け入れるかわかりませんが、この副読本を使用することは絶対に許せません!
この副読本の撤回を求める署名が集められています。10月末までです。
こんな本使うんじゃない!という方はこちらで署名用紙をダウンロードできます。⇒http://www4.ocn.ne.jp/~wakasant/